新築完成物件のホームインスペクション(住宅診断)事例

新築一戸建て住宅の完成物件に対して、引渡し前に行ったホームインスペクション(住宅診断)の事例をレポートします。

ご依頼者様が売買契約を済ませている木造の建売住宅の引渡し前の第三者検査です。アネストのサービス名称では、内覧会立会い・同行(一戸建て)というものです。

今回の内覧会立会い・同行サービスは、曇り空のなか始まりました。

建物を外部から内部へと順に調査を進めていきます。

建物外部では、外壁のサイディングに欠損が見つかりました。

外壁の欠損

新築住宅なのに、なぜ材料そのものに欠損があるのだと思われる人もいますが、資材が現場へ納入される過程で欠けてしまうこともあれば、現場で設置作業をしていくときに欠けてしまうこともあります。

この住宅で見つかった外壁サイディングの欠損は多く、何箇所もの指摘があがる結果となりました。同じ作業員が行っているために、何箇所も欠損が生じた可能性があります。

他には建物外部には目立った指摘事項はございませんでした。

次に建物内部のホームインスペクション(住宅診断)へと移ります。

室内の施工の出来はなかなかよいものでしたが、キッチンのシンク下の収納内部から排水管を確認してみると、排水管のカバーがありません。

排水管の隙間

カバーが無いのは上の写真の矢印の箇所です。隙間ができてしまっているため、床下から小動物や虫の出入りが可能な状態です。もちろん、空気も流れやすいため冬場にキッチンの足元で冷気を感じるかもしれません。

他には、一部の冊子で動作に不具合があったため、施工会社に調整を依頼しました。動作不具合の原因にもよりますが、多くの場合は簡単な調整で対応できるものです。

そして、床下の調査です。床下は点検口から担当の一級建築士がのぞいて確認します。床下の詳細調査というオプションをご利用頂いた場合は点検口から床下へ進入して、奥まで這っていき広範囲に調査を行います。今回の現場ではオプションのリクエストがなかったため点検口から目視できる範囲に限って調査しました。

床下の様子

床下では、基礎コンクリートの内側の状態、土台や大引きといった構造材とそれを留めている金物の取り付け状態をみます。他にも断熱材や配管も確認しますが、いずれも点検口から見える範囲に限定されます。何度も床下や屋根裏を見る機会はないですから、できればオプションのご利用をお奨めします。

屋根裏のインスペクション

 

最後に屋根裏の調査です(上の写真)。こちらも屋根裏内部へ進入するオプション調査がございますが、今回はオプションのご利用はないため、点検口から見える範囲で確認しています。梁材などの構造部や断熱材の施工品質が目視確認していき、特に問題はありませんでした。

外壁の欠損やサッシの不具合、排水管周りの隙間などの指摘がありましたが、大きな瑕疵はないものでした。
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執筆者

アネスト
アネスト執筆担当
住宅購入や新築、リフォーム時のホームインスペクション(住宅診断)を行うアネストが執筆、監修している。