ホームインスペクションと地盤調査

ホームインスペクションと地盤調査

住宅のホームインスペクションを依頼するとき、地盤についても調査してもらったり、アドバイスをもらえたりするのだろうかと考える人もいます。そういった人のため、ここでは、ホームインスペクションと地盤調査の関係について説明します。

ホームインスペクションに地盤調査は含まれていない

ホームインスペクションとは住宅診断とも言いますが、一般的には住宅の建物部分のみを診断するサービスです。建物には基礎・土台・柱・梁・屋根・外装・内装が含まれますが、地中部分は含みません。地盤はホームインスペクションの対象外なのです。

地盤調査は地盤の強度・地質などを調べるものであって、建物の構造などを確認するものではありません。

つまり、建物を調べるのがホームインスペクションで、地盤を調べるのが地盤調査ですね。

ホームインスペクションと地盤調査報告書

ホームインスペクションと地盤調査が全く異なるものであって、重なりもしないということは理解できたと思います。それでも、住宅を購入するときなどには地盤についても確認したいものですね。ホームインスペクションで地盤に対してできることを考えてみましょう。

地盤調査報告書の確認もホームインスペクションに含まれていない

住宅などの建築物を建築する前には、地盤調査を行います。計画している建築物のプラン(荷重を含めて)と地盤調査の結果を考慮して、地盤改良について検討して対応しているはずです。

地盤調査をしていれば、地盤調査報告書(地質調査報告書などの名称もある)があるはずです。地盤調査報告書には、地質・強度などが出ており、地盤を判断する上で非常に重要な資料となります。

しかし、この地盤調査報告書の確認作業は、一般的なホームインスペクションには含まれていません。

地盤調査報告書を確認してアドバイスをもらえることもある

一般的には、地盤調査報告書の確認がホームインスペクションに含まれていないと述べましたが、会社によっては、その書類を準備しておけば閲覧して解説やアドバイスをしてもらえることもあります。

地盤が大事なことであるのは言うまでもありませんが、ホームインスペクションというサービスのなかでつい以下でアドバイスをもらえるのであれば、これはうれしいことですね。対応していない会社が多いですから、依頼前に確認しておくとよいでしょう。

物件種別によっては地盤調査報告書を入手しづらい

地盤調査報告書は、地盤調査をしていなければ存在しないものです。新築住宅で既に着工済み(完成済みを含む)であれば、必ず地盤調査をしているので存在しているはずです。売主に要求して提示してもらいましょう。一部の売主が拒否することもありますが、大事な書類ですから強く求めた方がよいでしょう。

未着工の新築住宅の場合、地盤調査を実施する前の場合もあり、その場合は入手できません。地盤調査の結果が出るまで待ちましょう。

中古住宅の場合は、売主が新築時の地盤調査報告書を保管しているかどうかによります。保管しているか聞いてみて、保管しているならば是非見せて頂きましょう。古い時代の住宅であれば、そもそも地盤調査していないケースもありますし、していたとしても紛失している可能性は高いです。

住宅購入にあたっては、地盤は大事な要素ですから、可能ならば地盤調査報告書をホームインスペクション会社に見てもらいましょう。

執筆者

アネスト
アネスト執筆担当
住宅購入や新築、リフォーム時のホームインスペクション(住宅診断)を行うアネストが執筆、監修している。