新築建売住宅の購入の流れ
はじめて新築の建売住宅を購入する人にとっては、取引の進め方や不動産業者とのやりとりについてわからないことがあるのは当然のことです。何か不安なこと、わからないことが出てきたときには、まずは基本に立ち返って購入の流れを理解しておくことが役立つことは多いでしょう。
また、何から始めてよいかわからないという人にとっても、建売住宅を購入するときの一般的な流れは早い段階で把握しておくべきことです。
ここでは、既に建物が完成済みの建売住宅を購入する場合と、着工前や建築中で未完成である物件を購入するときについて、それぞれの購入の流れを説明しています。
完成済み建売住宅を購入するときの流れ
既に建物が完成済みである建売住宅を購入するときの流れを説明しましょう。一般的な流れは以下のようになっています。
- 購入物件の予算を検討する
- 興味ある物件を見学する
- 購入申込を行う
- ホームインスペクション(住宅診断)を行う
- 住宅ローンの仮審査に申し込む
- 売買契約を締結する
- 住宅ローンの本審査に申し込む
- 対象物件の最終確認を行う
- 引渡しを行う
上にあげた購入の流れについて、以降でもう少し詳しく説明していきましょう。
購入物件の予算を検討する
建売住宅購入の成否を握る最初の大きな関門だと言ってよいでしょう。それが、予算の検討です。単純に、「3,500万円ぐらいの家が欲しい」などと考えるのではなく、資金計画に裏付けられた購入予算を検討すべきです。
用意できる自己資金や毎月返済額から逆算した住宅ローンの借入額について慎重に考えなければなりません。毎月返済額は、将来にわったて無理のない金額とすることが望ましいのは言うまでもありません。資金計画についてはファイナンシャル・プランナーに相談するのも1つの方法です。
興味ある物件を見学する
購入する物件の価格帯を決めたあとは、現地へ物件の見学へ行くことです。この時点で建売住宅に絞っていない人もいるでしょう。マンションや中古物件なども見比べても構いません。
物件見学で最も重要なことは、いくつもの物件を見て比較検討するということです。購入する上で、立地が大きな要素となることは多いですが、物件を見慣れる必要性もありますから、希望する立地で多くの物件がないならばエリアを外してでも物件見学はしておいてもよいでしょう。
購入申込を行う
いろいろな物件を見て、購入を希望する建売住宅が見つかれば、売主に対して購入申込を行います。申込書に署名・押印して売主へ提出することで申込することが一般的です。
仲介業者を介して取引する場合は、その仲介業者に申込書を提出し、仲介業者から売主へと提出される流れとおなります。
申込時には、10万円程度の申込金を支払うことが多いですが、取引によって金額は異なります。なかには、申込金がないということもあります。ホームインスペクション(住宅診断)を行う
前述の購入申込の前後で、買主がホームインスペクション(住宅診断)を依頼することも多いです。これは任意ですから、全ての人が依頼しているわけではありませんが、売買契約を締結して後戻りできなくなる前に建物の施工ミスなどが無いか確認しておくことは大事なことですから、検討するとよいでしょう。
購入申込の前に利用することもあれば、購入申込の後にすることもあります。また、この後に紹介している住宅ローンの仮審査とも利用のタイミングが前後することは多いです。
住宅ローンの仮審査に申し込む
住宅ローンを利用して建売住宅を購入するのであれば、売買契約の前に希望する金融機関に対して仮審査を申し込みすることが多いです。仮審査で融資可能との返事をもらえない限りは売買契約を締結しない売主は多いです。
仮審査は3営業日程度で結果をもらえることが多いですが、その間は売主に待ってもらうことになります。そのための購入申込で、申込書に記述した契約予定日の前までに審査結果を得なければなりません。
売買契約を締結する
仮審査をパスすれば売買契約を行います。実際には、売買契約の前に不動産会社より重要事項説明を受け、それから売買契約という流れとなります。
この契約の際には手付金を買主から売主へ支払いますが、その金額は売主と買主が合意によって取り決めるものです。例えば、売買価格の5%や10%程度とすることが多いです。
住宅ローンの本審査に申し込む
売買契約を締結した後は、速やかに住宅ローンの本審査を申し込みします。審査に必要な書類を準備して、希望する金融機関へ提出し、審査結果を待ちます。
審査は5~10営業日ぐらいかかることが多いですが、金融機関や時期によってはもっと長くかかることもあり、低金利で借り換え需要が多かった時期には1カ月程度も要したこともあります。売買契約を締結する前に、希望する金融機関に審査の所要期間を確認しておく方がよいでしょう。
対象物件の最終確認を行う
住宅ローンの審査で承認を得れば、引渡し前に購入した物件を現地で最終確認します。このときに建物の不具合があれば売主へ補修を求める必要がありますから、慎重に確認してください。この機会を確認会や内覧会と呼ぶことが多いです。
売買契約の前にホームインスペクション(住宅診断)を利用していない人のなかには、このタイミングで利用する人が多いです。引渡し前に不具合を指摘しておいた方が、補修交渉もスムーズにできることが多いですから、オススメです。
引渡しを行う
最終確認の際に指摘した不具合の補修後の状況を確認すれば、いよいよ引渡しです。売買代金の残金を支払って、引渡しを受け、所有権が売主から買主へと移ります。あとは、買主の都合のよいときに引越しですね。
着工前及び建築中の建売住宅を購入するときの流れ
建売住宅とは言っても完成物件であるとは限りません。建築途中の物件を購入することもありますし、着工前の段階で購入することもあります。そういった未完成物件を購入するときは、完成物件とは流れが異なるところがあります。
- 購入物件の予算を検討する
- 興味ある物件を見学する
- 購入申込を行う
- 建築中の状況でホームインスペクション(住宅診断)を行う
- 住宅ローンの仮審査に申し込む
- 売買契約を締結する
- 住宅ローンの本審査に申し込む
- 着工する
- 建築中に現地確認を行う
- 建物が完成する
- 対象物件の最終確認を行う
- 引渡しを行う
以上が未完成の建売住宅を購入するときの流れです。
ほとんど同じような流れなのですが、売買契約を締結した後の流れが異なります。契約時点では建物が完成していないため、完成を待つ機関が生じるのです。
着工してから完成するまでの間に、買主が現地の状況を確認する機会を得られることが特徴的です。完成後では確認できない建築中の状況をチェックできるのは未完成物件を購入する人の大きなメリットです。適宜、建築士に検査を依頼する対応も検討するとよいでしょう。
契約前の時点で工事が進んでいるのであれば、その時点で確認できる範囲だけでもホームインスペクションしておくことは有意義です。その時点で大きな問題があれば補修を要求するか、購入を中止することも可能です。契約後に着工する物件では契約前に建物をチェックできませんが、やむを得ないことです。
ただ、建物が完成した後は、完成物件の購入と同じです。完成後の状況を最終確認する機会を設けてもらってチェックする必要がありますし、それが終われば引渡しへと進んでいきます。