ホームインスペクションの利用迄の流れ
ホームインスペクション(住宅診断)の検討から利用までの流れについては、利用シーンによって異なるため、利用シーンごとにまとめてみた。
既存の住宅を購入する際(新築完成物件を含む)
いくつかの物件を見学して購入したい物件を絞り込んだ時点で、ホームインスペクション会社にホームインスペクション(住宅診断)料金について見積りを依頼する。見積りの計算のためには、多くの場合、物件所在地・建物面積・構造種別といった情報が必要となる。
見積り内容を了解すれば、日程の調整にとりかかる。基本的には売買契約を締結する前にホームインスペクション(住宅診断)を利用すべきであるため、診断日~契約日のスケジュールがタイトなものになることが多い。売主や不動産仲介業者の対応可能日程とホームインスペクション会社の空き状況を確認してから、診断日を決めて依頼しよう。
これから新築住宅を建築する際
できれば、売買契約もしくは工事請負契約を締結する前にホームインスペクション会社に利用の流れを直接質問しておくことを奨める。売買契約等の前にホームインスペクション会社へ依頼する必要があるケースもあるからだ。
ホームインスペクション会社と打合せして、建築中の検査回数を決めるが、通常は検査回数によって料金が異なるので同時に見積りもとっておきたい。ホームインスペクション(住宅診断)にかけられる予算も考慮した上で検査回数を決めると良いだろう。
リノベーションする際
できれば、リノベーションのプランをある程度考えてから着工するまでの間に、ホームインスペクション会社へ問合せて、進め方を聞いておくべきである。工事着工の前にホームインスペクション(住宅診断)を奨められることがあるが、これはリノベーションプランの検討においても役立つ可能性がある。
リノベーションのプランをある程度、煮詰まってきた段階でホームインスペクション(住宅診断)の見積りを依頼するとよいだろう。
一般的には、いずれのシーンにおいても、依頼後に設計図書などの資料をホームインスペクション会社に送付する必要がある。ホームインスペクター(住宅診断士・住宅検査員)としては事前に建物のプラン(間取りなど)を頭にいれておき、現地調査の流れ・進め方をイメージすることもできるし、注意して見るべき点を検討しておくこともできるからだ。
当日は、現地付近で待ち合わせし、挨拶を済ませてから調査へと入っていく。前もって、電話やメールで簡単に打合せしておくこともある。調査を終えれば、多くの場合においてその場で調査結果の説明を受けられる(調査しながら説明を受けることも多い)。そして、後日、調査報告書(レポート)が届けられる。
なかには、調査報告書(レポート)を省略する業者もあるとうだが、後日の確認のためにも調査報告書(レポート)が作成されるかどうかは事前に確認しておこう。
執筆者
全国で第三者の一級建築士がホームインスペクション(住宅診断)を行うアネスト。新築・中古住宅の購入時やメンテナンス時などに建物の施工ミスや劣化事象の有無を調査することができる。