屋根裏(小屋裏)のホームインスペクション
前に「床下のホームインスペクション(住宅診断)」について書きましたが、屋根裏のホームインスペクションについて記します。
屋根裏とは小屋裏とも言います。その時の通り屋根の裏側を指します。つまり屋根の下面のスペースで室内側から言えば天井の上側のスペースのことです。
木造住宅であれば、この屋根裏(小屋裏)において梁や柱の一部を確認できる大変重要なスペースであり、ホームインスペクション(住宅診断)をするうえでも大事な箇所です。
屋根裏を調査するためには、点検口が必要です。点検口は居室の天井についていることもあれば、押入れやクローゼットといった収納内部の天井に設置されていることもあります。
住宅によっては屋根裏の点検口がないものもあり、屋根裏のホームインスペクションに支障をきたすこともあります。ただ、押入れの天井板を手で押せばその板がずれて人が入れるようなケースも多いです。点検口の位置を知らない人、無いと思っていたひとも一度、試してみるとよいでしょう。
多くの住宅で浴室がユニットバスになっていますが、ユニットバスの天井には点検口が付いているはずです。そこから屋根裏の点検口を確認できるとお考えの方もいるかもしれません。ユニットバスの点検口は、多くの場合、その点検口のすぐ周囲しか確認できないため、これだけでは不十分です。また、ユニットバスの設置階の天井裏のみの確認ですから、2階建ての1階にあれば確認できるのは1階の天井裏ということになります。
屋根裏のホームインスペクションでは、柱や梁以外にも構造部を留める金物をチェックしたり、断熱材の有無や状態をチェックしたりできます。そして、水染みの痕がないかどうかチェックできることもメリットです。水染みがあれば、雨漏りや結露の可能性を検討することになります。
屋根裏のホームインスペクションは、アネストでは点検口からのぞいて確認できる範囲の調査であれば、ホームインスペクション(住宅診断)サービスの基本サービスとして対応しています。屋根裏のなかはホームインスペクターがあがって行う場合はオプション対応としています。下の写真はオプションで屋根裏内部を調査しているところです。
住宅によっては、ロフトがあり備付けの梯子であがれることもあります。このロフトへは容易にあがれるのですが、ロフトに壁があれば梁などを目視確認することができず、屋根裏のホームインスペクションとしては十分に対応できません。
ただ、そのロフトの壁に点検口があれば、そこから屋根裏の状況を確認することができます。こういった点検口を設置しているかどうかは売主や設計者が購入者のこと、住宅の将来のことを考えているかどうか判断できるものだとも言えます。とはいえ、新しい住宅で点検口があるのは当たり前ですから、設置していない業者には少し不信感をもってしまうことです。
屋根裏の内部へ進入して行う調査は、なかなか危険なものです。足の踏み場を間違えると天井板を突き破って人が落下して大けがをする可能性があります。もちろん、建物も傷めることになります。慣れていない方、建築知識の無い方が進入するのは危ないのでやめておきましょう。
執筆者:荒井康矩(ホームインスペクションのアネスト)